ホーム » ひとり旅 » 神社・お寺・八幡巡り » 清岸寺(東京都渋谷区) » 女ひとり、仕事帰りに清岸寺で人間関係の疲れを吹っ飛ばす~静寂と優しさにあふれる時間~

2022年5月27日 投稿
2024年8月30日 更新

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早朝の梵鐘に聴き入る時間~常徳院~
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人間関係は煩わしい

清岸寺


たまに自分の姿を鏡越しに見てみるとひどくやつれていて、イメージしていた自分と違いショックを受けることってありませんか?

ある程度歳を重ねると、普段必要以上に鏡を見ることってなくなりますよね。20代前半の頃って、外を歩いていてショーウィンドウに映る自分を意味もなく確認してみたり、ちょっと触ったくらいじゃ何も変わらないんだけど前髪を何度も直してみたり…。
常に周りからの視線を気にしながら歩いていた気がします。

それが30歳を過ぎたあたりからでしょうか?
鏡越しに自分の姿を確認するのは、化粧水をつける時とお風呂に入っている時のたまたま見えちゃった自分くらい。笑
特に人間関係に疲れている時なんて、自分の表情や格好をいちいち確認するような余裕はまったくありません。
そしてたまたま見えた自分の疲れきった表情を見てげんなり、さらに落ち込んでしまったりするんですよね。

水がめ


人間にとっての最大の悩みは人間関係だと筆者は思っています。

仕事にしろ家庭、友情、恋人のことにしろ、人生に常に関わってくるのが人間関係。避けようとしてもひとりでは生きていくことができずなかなか避けられません。
人間関係がうまくいってるときは人生が輝いているように感じられるのに、誰かとのいざこざが少しでもあるとスッキリしませんよね。

清岸寺


苦手な上司がいて職場に行きたくない
お義母さんの威圧的な態度にいつもモヤモヤ
親友に裏切られて喪失感
良いパートナーに出逢えなくてこの先不安

など、こんな風に人間関係で悩みヘトヘトになってしまったとき、皆さんはどうやって対処しますか?
「気分転換」という意味で筆者には実践している対処法があります。

それは「静寂な空間に身を置く」こと。

まずは、煩わしい関係になっている対象から物理的に距離を置いてみることが大切なんじゃないかな、と思うのです。本質的な悩みを解決していくのはそれからでもきっと遅くはありません。

さて前置きが長くなりましたが、この日久しぶりに人間関係でへなちょこのクタクタに疲れ切った筆者、静寂を求めて歩いている道中とあるお寺に出逢い癒されてしまったので、ご紹介してみたいと思います。

渋谷の住宅街に佇む「清岸寺」

清岸寺参道


今回ご紹介するのは2022年5月上旬に訪れた「清岸寺」。
場所はここです。


先に訪れた荘厳寺で刺激的な体験をさせていただき、すっかり調子が上がってきたところで新たに巡り逢えたお寺です。

瘡守稲荷社殿と幡ヶ谷聖観音像

荘厳寺にて嬉しい体験ができた筆者、足取りが軽くなりもっとたくさん前へ進みたくなりました。
当初はお寺ではなく駅を目指して歩き始めたのですが、何を思ったのかㇷと立ち止まったとき左側の視界が開けて風が吹き抜けたんです。
思わず目をやると現れたのがこの参道。

清岸寺
清岸寺参道は急な上り坂

背中がブルッとしました。
建物が隙間なく立ち並ぶ渋谷の住宅街で、突然現れた吹き抜けに運命を感じてしまったのです。神様に導かれているような参道の存在感、これは進むしかありませんよね。笑
いつもこうやって勝手に運命を感じては目的地を定めて散歩していますが、これが本当に楽しいんですよね。

坂道を上がりきるとまず右側に小さな鳥居がありました。

瘡守稲荷社殿
稲荷社殿

こちらは瘡守稲荷(かさもりいなり)社殿
腫物・瘡に効き目があり、平癒祈願(へいゆきがん)すれば願いが叶う稲荷神として近隣の信仰をあつめていたそうですよ。

お稲荷さん左
左のお稲荷さん
お稲荷さん右
右のお稲荷さん

ここのお稲荷さん、心なしか表情が「遊んで~!」と無邪気にねだってくる子どものようで可愛らしいんです。

手を合わせてから鳥居を出て反対を向くと本堂が静かに構えています。
(優しい雰囲気に吸い込まれ写真は撮り忘れました笑)
中は見られませんでしたので気になる方は清岸寺HPをご参照ください。
本堂を囲むようにしてお地蔵様や幡ヶ谷聖観音像が並び、これだけで自分も包み込まれたような優しい気持ちになります。

幡ヶ谷聖観音
凛々しくも表情が柔和な幡ヶ谷聖観音像

脇に目をやると浄土宗の開祖「法然上人」像。これもまた一段と柔らかい雰囲気を醸し出しているんですよね。

法然(幼少)像
幼少の法然
力強い魚籃観音

さて、法然像や聖観音像から少し離れた一角からひたすら力強い視線を送ってくる観音様がいます。
それは魚籃観音
サイズは小さめなのですがとにかく眼力がスゴイのです!
睨みつけているとも違う、恨んでいるとも全く違うとにかく強い眼差し。ついこちらが惹き込まれてしまいます。

魚藍観音
囲いの中にいらっしゃいます

眼力の強さは説明を読んで納得しました。

魚籃観音説明

魚籃観音(ぎょらんかんのん)

三十三観音の一つ。
魚の入った藍を持つお姿の観音様。
悪鬼・毒竜などで例えられる暴悪な物、恐ろしい物の害を取り去って下さる観音様として知られている。

大変古い観音像であり、渋谷区では清岸寺だけにある。

静寂と優しい空間に包まれるうちに元気を取り戻しつつあるものの、まだ完全に回復はしていない筆者にとってこの魚籃観音はインパクト大。
それと同時に、心の奥の奥のずーっと奥の部分になにかグサッと刺さるものがありました。
「見守っていてやるから合わない人がいるだけでメソメソするな」と諭されたような気持ちになったのです。筆者にとってはそのくらい力強いパワーをもった観音様でした。

手を合わせてから次はお地蔵様に会いに行きます。

酒呑地蔵尊としあわせ地蔵

本堂の右側に優しく立っているのは酒呑地蔵尊しあわせ地蔵です。

酒呑地蔵尊は別名を「子育地蔵」といいます。説明版のエピソードを読んでみて、改めて酒に呑まれる人が少なくなるといいなぁと願ってしまいました。
HPに説明がありますのでぜひ読んでみてください。→こちら

酒呑地蔵
酒呑地蔵尊

そしてこのしあわせ地蔵様は、少しだけ首をかしげているところがあまりにも優しくてずっと見ていられます。見ているだけでしあわせな気持ちにしてくださるお地蔵様で、一緒にくっついているおチビちゃんがまたたまらなく可愛らしいのです!

しあわせ地蔵
しあわせ地蔵
あどけない表情の水子地蔵

本堂から離れて瘡守稲荷さんのほうへ戻ると、稲荷さんの左側に数体お地蔵様が並んでいるのが見えます。
それが水子地蔵です。

HPの位置とは変わっていましたが、墓地の入口にかわいらしく整列しています。

水子地蔵


どれも表情があどけなくて思わず撫でてあげたくなる佇まい。
若くして亡くなった命の安らかな眠りを、きっとサポートしてくれているのでしょうね。

水子地蔵


清岸寺の詳細
水子地蔵


静寂に包まれた優しい時間が流れる清岸寺。
おかげで筆者の心もすっかり落ち着き、絶望を感じていた人間関係の悩みも日常のささいな出来事にすぎないのだと、悩みすぎる必要もないのだと自然に思えるようになっていました。

そんな魅力的な清岸寺、詳細はこちらです。

浄土宗法界山 清岸寺

所在地
〒151-0072 東京都渋谷区幡ヶ谷2-36-1

連絡先
℡:03-3377-3505
Fax:03-3377-3455
アクセス
・京王線「笹塚駅」より徒歩6分
・京王新線(都営新宿線直通)「幡ヶ谷駅」より徒歩6分
・京王バス
「笹塚中学」下車、徒歩すぐ
HP
https://seiganji.or.jp/


今回も最後まで読んで下さってありがとうございました!
また別の記事でお逢いしましょう。

Sawako