ホーム » ひとり旅 » 神社・お寺・八幡巡り » 金刀比羅宮(香川県仲多度郡琴平町) » 女ひとり、二泊三日で憧れの香川県へ行く。②(前編)〜金刀比羅宮で神様のパワーを頂いた日〜

2022年5月9日投稿

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益田ミリさんの本から見つけた場所

金刀比羅神社
金刀比羅宮 参道
香川県ひとり旅 1日目の高松市街散歩はこちら

2021年秋ごろ人間関係でクタクタに疲れ切った筆者は、一冊の本に出会ったことで救われた気持ちになりました。
その本が、益田ミリさん著書「47都道府県 女ひとりで行ってみよう」です。

当時、仕事以外は家に引きこもりずっと布団をかぶって泣いていた筆者。引きこもりから2か月程して何か簡単な本が読みたくなり、ネット注文したのがこの本でした。
益田ミリさんの独特で気取らない女性の強さと、良い意味で力の抜けた文章が筆者の心をどんどんほぐしてくれるようでした。そして気になったのがずっと行ってみたかった香川県の頁です。

中でも金刀比羅宮へのこの文章。

琴平といえば、こんぴら参りで有名な金刀比羅宮への長い長い階段。
参道の入り口から厳魂神社までは1300段ほどの階段を登らねばならない…
(中略)
せっかくここまで来たしなぁ、と結局頂上の厳魂神社まで登ったが、本当に本当に疲れた。ときどきすれ違うお参りの人々も、みな息を切らして辛そうだった。……

益田ミリ著「47都道府県 女ひとりで行ってみよう(37 香川県)」より抜粋

ここまで素直な表現をされたら、一体どんな大変な階段が続いているんだろう?と気になって仕方なくなったのです。笑
それに、とにかく無心になれることがしたかったということもあって、その日から香川県に行くために迷わず準備を始めました。

率直に言って金刀比羅宮は最高に楽しく、さらに神様が所々で顔を出し励ましてくれているような不思議な感覚になった場所でした。
今回は、そんな神様のパワー全開な金刀比羅宮をご紹介します。
(旅をしたのは2021年12月です。投稿がだいぶ過ぎてしまいました!ご了承ください…)

金刀比羅宮HP

神様のパワー全開な金刀比羅宮

琴平駅と歌舞伎
高松築港駅
早朝の高松築港駅

さて、高松市街を楽しんで次の日の朝。(高松の旅はこちら)
ホテルをチェックアウトし高松築港駅から電車に乗りました。

ことでん切符
旅行先の切符って写真撮りたくなりますよね!

ちょうど通学の時間帯。地元の高校生に囲まれ少しだけ恥ずかしくなっていたのは内緒です。
テスト期間中だったのか、問題を出し合っている子たちがちらほら…
なんて微笑ましいのでしょう。こういう光景を見てニヤリとしてしまう自分、歳を重ねたものです。

列車の連結やら切り離しをしながら、ことでんはゆっくりと終点駅「琴平」へ向かいます。
ということで、着きました。

琴平駅前の鳥居
琴平駅前の鳥居
ことでん琴平駅
ことでん琴平駅

駅からすでに雰囲気が出ています。

琴平町の交番
ちょうどXmasシーズンだったので、交番にツリーが飾られていましたよ

時刻は午前8時半。
駅周辺は誰ひとりいません。せっかくなので近くの「JR琴平駅」にも寄ってみます。
はい、徒歩2分で着きました。

JR琴平駅
ことでん琴平駅よりも大きな構えでした

こちらは少し大きい駅ということもあってか、これから金刀比羅宮へ向かうであろう旅行者たちがパラパラといて、それぞれに腹ごしらえをしていたり地図を見たりしていました。
旅をしていると目にするこの光景、好きなんですよね。
みんなどんな思いでこの場所に来たのだろう?と想像する時間も、大切なひとり旅の醍醐味です。

さてここで気になる青銅像に出逢いました。
JR琴平駅の前に大胆に構えているこちらです。

JR琴平駅前の鏡獅子像
鏡獅子像

こちらは九代目市川團十郎丈振付による新歌舞伎十八番のひとつ「鏡獅子像」です。
歌舞伎好きな私としては、前知識なく突然現れた鏡獅子像に大興奮してしまいました。
生で観ると本当に格好いいんですよねぇ…。国立劇場のロビーに飾られている平櫛田中の鏡獅子像が比較的有名かと思います。→国立劇場の鏡獅子像

歌舞伎愛を語り始めると長くなりそうなので先に進みますが、この琴平町と歌舞伎はとても密接な関係にあるようで、金刀比羅宮へ向かうのがさらに楽しみになってきました。

琴平町の歌舞伎「こんぴら歌舞伎」についてはリンクを貼っておきますので、ご興味のある方は見てみてください。

琴平町の町並み
琴平町の町並み
琴平町の町並み
琴平町の町並み
琴平町
川も風情があります


さてすっかり興奮しながらルンルン気分で目的地へ向かいましょう。笑
琴平町の町並みはどこか懐かしい雰囲気と優しい空気に包まれています。町の温かさに包まれて冬の寒さも忘れてしまいそう。

金刀比羅宮のすぐ手前にアーケードが出てきました。
その名も「歌舞伎新町」!興奮再びです。笑

歌舞伎新町


朝早かったこととコロナ禍ということもあって商店街はひっそりとしていましたが、歌舞伎の浮世絵があちこちに飾られていてとても格好いいので、いらした際にはゼヒゆっくりと通ってみてくださいね。
(旅は緊急事態宣言の解除後に行きました)

歌舞伎浮世絵俊寛
これまた大好きな作品「平家女護島 俊寛」
こんぴら表参道の階段
琴平町の町並み


すっかり金刀比羅宮の手前で興奮してしまいましたが、ついに到着しました。
こんぴら表参道です。

こんぴら表参道
金刀比羅宮の入口です

早速ゆるい階段が続いているのが見えますね。

こんぴらさん
ザ・階段の始まり
こんぴらさんの階段
全然序の口よ
金刀比羅宮参道100段目
100段目らしい
金刀比羅宮参道の鳥居
鳥居がたくさん出てきます


まだまだ御本宮どころか参道までも辿りつかないのに、あれ…おかしいです。
100段目あたりですでに太ももにずっしり感…日頃の運動が足りなすぎるのでしょうか?笑
どうせひとりだし、ここは無理をせず休み休みのんびりと進むことにします。
(すでに益田ミリさんの素直な表現がそのまま刺さってきた瞬間です。笑)

途中、こんな狛犬を見つけました。

備前焼狛犬
備前焼の狛犬

備前焼の狛犬なんて初めて見ました。可愛らしいです。
重要有形民俗文化財に指定されているそうで、備前岡山の「長榮講」により天保15年(1844)に奉納されたんだとか。
備前焼でつくられた狛犬の中でも、1,2位を争う大きさの良作なのだと説明板に書かれてありました。
うん、実感はわかないけど歴史は感じますね。

たまに休憩をはさみながらひたすら階段を登ります。もはや心は修行僧です。
ふと振り返ると、いつの間にかこんな景色が広がっていました。

こんぴら表参道の階段
琴平町の町並みが一望できます

何度も修学旅行生に追い抜かされながら、何とか金刀比羅宮の参道に到着しました。
はぁ、これあとどのくらい続くの⁇笑

やっとこさ金刀比羅宮入口
金刀比羅宮山門
この時はまだ丑年だったんです…笑

「笑顔でしあわせ、こんぴらさん!!」の文字に心が救われ、すっかり御本宮に到着した気分になっていますが、本番はここからのようです。

早速怪しい階段が見えています。

金刀比羅宮

金刀比羅宮


急な階段を前に一呼吸、いや五呼吸くらいは必要です。
このあたりからは「がんばって登る」というよりも「無になって登る」のが正解。
明らかにおかしくなってきた足をお供に、進みます。笑

ひたすら階段が続きますが、所々で休憩できる場所もあります。
ちょっとお馬さんに会いに行きましょう。

金刀比羅宮馬の銅像
お馬さんの青銅像
金刀比羅宮馬小屋
馬小屋の本物のお馬さんも

お手洗いもあるので、ここは休憩ポイント。

気になっていた丸山応挙の障壁画(表書院)は、先を急ぐため今回は断念です。

金刀比羅宮表書院
趣のある表書院
金刀比羅宮 御本宮に到着
金刀比羅宮

ひたすらせっせと階段を登り、ついに御本宮に到着しました!
…と喜びたいところですが、これはまだ御本宮ではないようです。

それにしても立派な構え。御本宮と間違えてしまいます。
こちらは旭社といって、御祭神は天御中主神・高皇産霊神・神皇産霊神・伊邪那岐神・伊邪那美神・天照大御神・天津神・国津神・八百万神だそうです。
めちゃくちゃ守られている感じがしますね。

何でも、最初のこんぴら表参道の階段から御本宮までは785段あるそうで、駅の階段を上り下りするのとでは比べものにもならない段数です。
本当に辿りつくのかしら?ときっと皆このあたりで不安になることでしょう。笑

それでも負けずに歩き続けましょう。
少しずつでも進んでいれば、必ずゴールには辿り着くものです。

金刀比羅宮「賢木門」(さかきもん)
「賢木門」(さかきもん)

立派な門をくぐり、振り返ります。

金刀比羅宮「賢木門」(さかきもん)
振り返って見てみた賢木門

もう足腰はガクガクフラフラなんですが、辺りの景色と森の深さは文字では伝えられない美しさを放っているのです。そのおかげでなんとか足を動かせている気がします。
こればかりは登ってみることでしか実感できないので悔しいですね。

もうさすがに着くだろうと溜息が漏れたあたりで、御本宮までの最後の難関が現れます。笑

金刀比羅宮御本宮前の階段
あれ?なんか一番急じゃない?笑

こりゃないよ…と嘆きたくなる急こう配。
御前四段坂と言って、133段あるそうです。これを登り切れば御本宮到着です。

ということでやっと上まで辿り着きました。
御本宮です。

金刀比羅宮御本宮
金刀比羅宮御本宮
金刀比羅宮御本宮
御祭神は大物主神(おおものぬしのかみ)

御本宮は、石段785段目、海抜251メートルに鎮座します。御本宮の御祭神は、大物主神と崇徳天皇です。古来から農業・殖産・医薬・海上守護の神として仰がれています。

御本宮の社殿の創建については分かっていません。長保3年(1001)、一條天皇が藤原實秋に勅し社殿を改築したことまでは分かっています。その後、元亀4年(1573)の改築、天正年間(1573-1592)の長曽我部元親による再営を経て、万治2年(1659)の讃岐国高松藩主 松平頼重による改築に至り、明治11年(1878)の改築で現在の社殿となりました。

金刀比羅宮 参拝ガイドより引用

さすがに結構な人で溢れていました。
記念撮影をする修学旅行生だったり家族連れ、カップルなどそれぞれです。

金刀比羅宮御本宮からの眺め
御本宮からの眺め

御本宮からの眺めは最高で、香川の広大な土地を肌で感じることができました。
本当にここまで弱音吐きながらでも登ってきて良かった、それに尽きます。

前編はここまで

さてこんぴら表参道から御本宮までの785段、途中寄り道をしながら1時間ほどかけて登ってきましたが、御本宮まで辿り着くと不思議なものでこの先の奥社までも余裕で登れるような気持になってしまいました。

金刀比羅宮奥社への道
奥社入口

奥社までの道のりはまたさらに長いので、∼金刀比羅宮でひたすら神様のパワーを頂いた日!前編∼は一旦ここまでにします。

後編では、奥社までの残り583段を登りきるまでの様子や、まさかの神様からお叱りを受けた話、下山してから頂いた美味しいうどんの写真などを公開しています。
また、最終日の瀬戸大橋周辺を歩く旅も合わせてぜひお読みください!

ここまで読んでくださってありがとうございました。
また次回の記事でお逢いしましょう。

Sawako