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[偕楽園]とつぜん出逢った場所
今回訪れた偕楽園はここ
↓
3月に入ってわたしは35歳になった。
毎年誕生日付近には自分にご褒美という名の小旅行をプレゼントすることにしている。
いつもながらわたしはその時の直感で「水戸」に行こうと決めた。正確には水戸の近くにある「稲田神社」にどうしても行きたかったからである。
稲田近辺にはホテルが全くなかったため、少し足を伸ばして水戸のホテルを見つけ「どうせなら水戸も楽しもう!」と、オプションのように決められた結果である。
(稲田神社のことは別記事で書く)
水戸黄門様のことは知っていたけれど、なぜだか今まであまり縁のなかった茨城県水戸市。
きっと、行こうと思えば電車を乗り継ぎいつでも行ける距離にあるからなのだと思う。
そんな水戸市と言えば一番に思いつくのが「偕楽園」。
と言いたいところだけど…笑
庭園になかなか縁のなかったわたし。
偕楽園の名前は知っていたけど、正直どこにあるのかはさっぱり知らなかった。
それが、35歳になりたてでようやく知ることができたのだ。
そして日本三名園のひとつだということも。笑
自分の生活に関わりのないものって、あえて知ろうとはしないしなかなか知る機会もないもの。
でもふとしたきっかけで突然知ることになったり、急に身近な存在になったりする。
そんな出逢うべくして出逢った偕楽園。
夜のライトアップと早朝の園内を紹介する。
茨城縣護国神社で立ち尽くす
水戸駅近くのカフェに入った際に、店員さんとの会話で教えてもらったチームラボ偕楽園 光の祭に行ってみることにした。
宿泊先のホテルに荷物を置き一息ついてから偕楽園へと向かう。
ホテルから偕楽園までは歩いて約15分程度。すっかり暗くなった道は明かりも少なく、女ひとりで歩くのは少し怖くもあったけど、たえず車は走ってるし途中コンビニもあるから…歩けないほどでもなかった。
ひたすら坂を下っていくと右側がなんだか明るくなってきた。
偕楽園到着だ。
着いたのは東門側。
暗くて入口がわからず、駐車場のおじちゃんに尋ねる。
おじちゃんが一言。
「チケットは持ってるかい?」
当日券目当てでなんの用意もなく来たことを告げると
「あら~、ここでは買えないのよ~。
この橋を渡って右に曲がってひたすらま~っすぐ進むと護国神社が出てくるから、チケットはそこで販売してるから行ってみてね」
と慣れた口調でハキハキと教えてくれた。
にしても偕楽園の周りは真っ暗。その中をまたひたすら歩くことに…。
旅の初日からわたしは相変わらず歩くなぁ、なんて考えながら暗闇の中を歩くこと5分ちょい。
左側に護国神社が現れた。
(おじちゃん、護国神社で販売してるって言ってたな…。
なんか雰囲気全然違うけど本当にチームラボのチケットなんて売ってんのかな?)
あまりにも華やかな雰囲気とはかけ離れた構えに、かなりの不安を感じながら階段を上る。
昔ながらの提灯が階段を照らすように並び、上る者を儚げに導いている。
まるであの世の入口のように感じられた。
空気が明らかに違う。
奥に進むにつれて明かりがなくなっていく。
本当に提灯だけ。
一番上まで辿り着いてやっと気づくわたし。
(やっぱりここじゃなかった…笑)
ここは茨城縣護国神社。
HPには御祭神についてこうある。
幕末から明治維新にかけて国の為に殉じた水戸藩関係の烈士から、先の大東亜戦争に至るまでの茨城県出身の御英霊 63,496柱
茨城縣護国神社HP「由緒」内「御祭神」より
間違って入ってしまったとはいえ、数々の御霊が祀られた歴史ある神社の静かな空気に圧倒され、気付けばわたしは御社殿前に立ち尽くしていた。
(御社殿はカメラを向けられる空気ではなかった)
夜の神社はなんとなく不気味な気がしてあまり立ち寄ったことはなかったけど、ここは提灯の灯りがやけに落ち着いていて構わずにどんどん進んでしまう。
夜は控えなくちゃいけない、とか決まりがあったらごめんなさい…
行く予定ではなかった場所に
心を奪われ立ち尽くす…
旅をしているとよくあることで、ここ護国神社も吸い込まれるように惹かれてしまったわたし。
御社殿で心を込めて手を合わせ、神社をあとにした。
チームラボ偕楽園 光の祭
護国神社をあとにして、わたしは辺りを見回す。
一体どこでチケットを販売してるんだ?笑
偕楽園側には可愛らしい陸橋がかかっているのが見えた。
梅桜橋というらしい。
その先になにやら人が集まっているのが見える。
とりあえず向こうに行ってみることにした。
梅桜橋を渡り終えるとスタッフさんのアナウンスが聞こえてくる。
「当日券の販売はこの先の料金所でのみ販売しております。
お求めの方はこのまま奥にお進みください。」
こっちだったのね…
間違えた悔しさとやっとたどり着けた安堵感で小さなため息がもれた。
これから光の祭に当日券を求めて行こうとしている方、わたしみたいにいきなり行っちゃう方には注意していただきたい。
当日券の販売は東門側ではなく吐玉泉料金所でのみ行われてるよ!ということを。
そして、何も考えずに東門側に行ってしまった場合は、ひたすら偕楽園に沿って吐玉泉側へテクテクと歩くことになるよ!ということを。
まぁ散歩には最適です、暗いけど。笑
さらにもうひとつ。
チームラボ開催中は18:00~チームラボ料金(大人/¥1,800‐)に切り替わっているため、偕楽園の料金(¥300‐)では入場できないよ!
ということ。
事前にある程度は調べておいたほうが良いということね。
さて、偕楽園に入場するまで長くなっちゃったけど当日券も購入して無事入場。
入場までは時間が区切られていて、わたしは19:00の回にギリギリ間に合った。次の回になると30分は肌寒い中行列に並んで待ち続けることになる。
人は多い。ほぼカップル。
いや全部カップル!
と断言してもいいくらいにカップル。笑
夜+ライトアップっていうと、恋人と行きたくなるのはいつの時代も変わらないのかね~なんてのんびり考えながら、わたしは女ひとり何ともなく進んだ。
(まぁ、人と待ち合わせしてます感をちょびっとだけ出してみたりもしたけど。笑)
吐玉泉料金所からスタートして最初に見えてきたのは孟宗竹林。
繊細な竹林が風に揺られ踊っている。
この竹林に巨大なプロジェクターが設置されていて、まるで亡霊たちが楽しく踊っているかのようにわたし達と一緒に道を進んでいく姿が楽しめる。
個人的にここが一番好きだった。
少しだけど雰囲気をどうぞ。(動画なのでダウンロードして見てくださいね)
【Walk,Walk,Walk-孟宗竹林】
亡霊たち(にしか見えない)に見惚れながら緩やかな坂を上っていく。
好文亭表門をくぐり着いたのは有名な東西梅林。
【生命は連続する光‐梅林】
開花状況は(3月3日時点)3分咲き程度。ライトアップのおかげで満開かと錯覚してしまう。
かなり広大な敷地なので、入口付近での行列が一斉に散らばったことであっという間にゆったりとした時間が流れた。
あぁ、これが求めてた空間よ~、と偕楽園を独り占めしている気分になる。
歩いていればそこまで寒くもなく春の訪れを静かに感じられる。なかなか心地いい時間だ。
若干喧嘩しているカップルを見かけた。
「こっち行こうよ」
「いや、あっちでしょ」
みたいな感じかしら?
それとも
「写真撮ろうよ」
「写真よりも景色楽しもうよ」
とか。
はたまた
「このあとどうする?居酒屋行く?」
「もうホテルでコンビニ弁当でもいいんじゃない?」
なんかもありそう。
と、勝手に黙々と妄想して楽しむのもひとり旅の醍醐味のひとつだったりする。笑
さて先に進む。
東西梅林をだいたい一周すると、次のルートは芝前門・中門からの大杉森。
枝垂も見事だった。
なにやら怪しげな光…
見せ場
【自立しつつも呼応する生命と呼応する大杉森】
神秘的な音とともに次々と色を変えていく。
チームラボ豊洲に以前行ったときにも感じたチームラボならではの卵の存在感と光の繊細さを、ここでも同じように感じることができた。
なぜだか安心感があるのが不思議だ。
最後に出口付近で太郎杉を眺めて偕楽園の夜の散歩は終了した。
【増殖する生命の巨木】
とってもとても素晴らしかったが、今度はイベントの行われていないシンプルなライトアップのみの偕楽園にもぜひ来てみたいな、というのが率直な感想。
風情のある日本の竹林や杉林、あるがままの梅林の姿をまた見てみたい。
そんなふうに感じたチームラボだった。総合的には大満足!
チームラボの詳細はHPをご覧ください。↓
🌸『チームラボ偕楽園 光の祭HP』🌸
朝の偕楽園は本当に独り占めだった
一夜明けて、コンビニで買っていたおにぎりをサクッと食べてわたしは朝の偕楽園を楽しむことにした。
梅の開花状態もちゃんと見たかったし何よりもそのままの庭園の姿を見たかったから。
イベント時とは別の気持ちにもなれて一石二鳥な気がする。
今度は常盤神社を通ってお参りしてから東門より入場する。
昨夜のムードある雰囲気とはうって変わって爽やかな偕楽園。
さて行ってみよう。
時刻は午前7時をすぎたところ。
近所の人が散歩がてら居るんじゃないかと思ってたら誰もいない。笑
本当に独り占め状態になった。
(横浜ナイトクルージングといい、貸し切り好きだなぁ笑)
昨夜のライトアップされていた場所をまわる。
東西梅林
これが満開だったら迫力スゴイだろうな。
朝と夜とではこんなに違う。
そして、卵のある大杉森はまさにジブリの「もののけ姫」にでてくる木霊の森そのものだった!
わたしが一番好きだった孟宗竹林はこんな感じになっていた。
ここに映し出していたのか~。
最後にひとこと
今回は出発の前日にホテルだけ決め、あとはその時行きたい場所に行ってみようと見事にノープランで水戸駅に着いたけど、突然チームラボ偕楽園を楽しむことができた。
さらに早朝の偕楽園、そして茨城縣護国神社も堪能することができた。
なかなか満足だった。
ただ梅の満開まではまだ時間がかかりそうで時期尚早だったみたい。
わたし自身もう少し成熟してまた訪ねてみたいと思う。
長い長い今回の記事、最後まで読んでくださってありがとうございました。
また別の記事でお逢いしましょう!
Sawako
作者SawakoのXはこちら。 https://twitter.com/Sawako30976291?s=09