ホーム » ひとり旅 » 女ひとり、寄り道で訪れた北海道のオシャレなレトロ館~無料で楽しめる北見市ハッカ記念館~

2025年9月12日投稿

Sawakoこの記事を書いた人
Sawakoのprofile/blogconcept

福島県会津若松市の紅葉が素晴らしい
香川県高松市の港をのんびり歩く
神奈川県藤沢市の公園で山歩き気分を

束の間できた空き時間を有効活用

北見市ハッカ記念館


皆さん、この夏暑さに負けていませんか?
突然ですが筆者は訳あって北海道に滞在しておりました。
先日用事で北見市を訪れた際に少し時間ができたので、前から気になっていたハッカ記念館、そして薄荷蒸溜館へ赴いてみようと思います!

皆さんはフと時間ができた時、どんな風に時間をつぶしていますか?
いつか仕事の合間に時間ができた時は、千葉県市川市の東山魁夷さんの記念館にお邪魔したのを覚えています。
今回も偶然なのか記念館にふらりと寄ってみるのですが…どうやら筆者は記念館好きのようです。笑

北見市ハッカ記念館の魅力

ということで、今回ご紹介するのは北海道北見市「JR北見駅」より徒歩圏内にあるレトロなハッカ記念館です。
位置はこのあたりです。

想像していたよりもしっかりと北見市のハッカの歴史を知ることのできた貴重な時間、早速行ってみましょう!

可愛いレトロな建物
北見市ハッカ記念館
北見市ハッカ記念館

この日はめちゃくちゃ晴天!気温も高く5分歩いただけで休憩を挟みたくなる北見市です。
北海道は子どもの頃からたびたび訪れていますが、やっぱりここ近年の北海道は暑いですね。10年前、20年前よりもはるかに気温がおかしいくらい上がっているし、北海道に限らずですが異様な感じはします。
子どもの頃は28℃で「暑いよ~」って嘆いていた気がします。皆さんもそうですよね?ね?ね?
北海道で28℃なんてビックリだったのを覚えていますが、今年の北海道は37℃なんてザラです。今回訪れた北見市は40℃にもなった日があるくらい。気温上昇、本当に恐ろしいですね。

さてそんな暑い北見市ですが、筆者のひとり旅は「歩く」が醍醐味というくらいによく歩くので笑、今回も相変わらず歩きます。
といっても今回は比較的近いですよ!

JR北見駅を出たら目の前の39号線を旭川方面に真っすぐ10分ほど進んだ先にある北見ハッカ記念館。
汗だくになりながら到着です。

北見市ハッカ記念館
無料駐車場も完備されています
北見市ハッカ記念館

北見市ハッカ記念館
どことなく北欧の空気感があります
北見市ハッカ記念館


この記念館は、1934年に開業したホクレン北見薄荷工場の研究所として使用されていました。
その後、1983年に工場が解体されると同時にホクレン農業協同組合から北見市に寄贈され、1986年に改修後北見ハッカ記念館として開館されたんだそうです。(北見ハッカ記念館公式サイトより)

このレトロな雰囲気、入場する前からワクワクしますよ。
その記念館のすぐ左隣には、2002年に開館した「薄荷蒸溜館」も建っています。後ほど寄ってみましょう!



1階「北見薄荷の歴史を知る」
北見市ハッカ記念館


それでは早速お邪魔しましょう!
この記念館、北見市で管理されているため入場料はかかりません。無料です!
規模もそこまで広くはないので、筆者のように少し時間ができた時に立ち寄るにも最適です。

入場すると担当の方が出迎えてくださいましたよ。入場カードを記入して早速進みましょう。

北見市ハッカ記念館

北見市ハッカ記念館
性別や県内県外など簡単なアンケート式カードなので、記入にご協力ください

1階では主に北見薄荷の歴史をたどることができます。

北見市ハッカ記念館
大きなパネルが目を引きます

1901(明治34)年には、屯田兵を中心に北見地方では薄荷栽培が急速に普及し、1934(昭和9)年に薄荷工場ができました。
そして1939(昭和14)年にはなんと世界工場の7割を占めるまでに成長します。薄荷栽培史上最高となったそうです!北見市中に薄荷畑が広がっていたということですよね?今じゃ想像できないですよね。

北見市ハッカ記念館
玄関からホールに続く空間には心地よい風が吹き抜けます

1階の展示は2部屋あります。最初の部屋でザックリとハッカの歴史を知り、次の部屋ではさらに詳しく薄荷産業のことや薄荷商品ができるまでの流れを学ぶことができますよ。

北見市ハッカ記念館

北見市ハッカ記念館
当時の写真もあるのでイメージしやすいです
北見市ハッカ記念館
結局年表が一番わかりやすかったりしますよね笑

筆者が印象に残ったのは、第二次世界大戦後に減反政策が進められた結果、北見市の薄荷産業が衰退していってしまったこと、そして海外で合成製品ができていったことにより、純粋な方法で時間をかけて抽出していた北見のハッカ油などは需要がなくなっていってしまったということでした。

なんだか今日本で起きているお米の減反政策と似たものを感じずにはいられないですよね。
かつては世界の代表でもあった北海道北見市の薄荷が、こんな形で衰退していったのはどうも納得がいかないというか、時代の移り変わりを感じるというか。
1階で歴史を知っていくうちに何とも切ない気持ちになりました。

北見市ハッカ記念館


1階の展示室では動画も用意されています。これ、内容が実に充実していて筆者は用意されている2本(各15分ほど)をひとりじっくり見漁ってしまいましたよ。笑
皆さんもお立ち寄りの際にはゼヒ視聴して北見の薄荷を知ってみてくださいね。

北見市ハッカ記念館
こういう窓枠も素敵なんですよね
北見市ハッカ記念館


さて1階を堪能した後は2階にも上がってみましょう!
建物自体が歴史のある造りなので、ただそこにいるだけで異空間を味わえるのも魅力のひとつです。



2階「ハッカ商品と昭和天皇行幸」
北見市ハッカ記念館
優しい光が絶えず差し込みます

さて2階では丁寧に抽出されたハッカたちの商品が展示されていますよ。

北見市ハッカ記念館
天然ハッカ枕
北見市ハッカ記念館
お菓子。こう考えるとハッカって色んな場面で目にしてますよね!
北見市ハッカ記念館
お土産用「ハッカ玉」「メントールコーン」
北見市ハッカ記念館
お土産用「ハッカ油」「ハッカ脳」
北見市ハッカ記念館
香り袋・キャンドル

普段何も気にせず購入している様々な商品に薄荷は含まれていて大活躍しているんですね。
この香り袋や香り人形は時代を感じて可愛らしかったですよ。

さらに別の部屋には、1954(昭和29)年に薄荷工場に行幸された昭和天皇陛下がご使用されたイスとテーブルも展示されてありました。

北見市ハッカ記念館

北見市ハッカ記念館

北見市ハッカ記念館
当時の写真や書物も豊富です

さらには様々なハーブの説明もあったり!

北見市ハッカ記念館

北見市ハッカ記念館


記念館の周りには実際にハーブガーデンもあって、5月にはハーブ種や苗の配布、8月にはハーブ収穫祭があるそうですよ。ハーブ好きにはたまりません!

北見市ハッカ記念館

北見市ハッカ記念館


無料で入れる記念館としてはかなり充実している施設なのではないでしょうか。筆者はかなりの時間入り浸っていましたよ!


併設されている「薄荷蒸溜館」
薄荷蒸溜館


さぁ、ハッカ記念館でだいぶ満足した筆者ですが、ここまで来たならもう少しハッカを堪能したい気分です。
と、ふと記念館の左隣を見ると何やらセンスのいい建物が併設されているではありませんか!(記念館に入場の時に担当の方からきちんと教えて頂いていた薄荷蒸溜館ですが笑)

北見市ハッカ記念館
すぐお隣にあります

まだハッカ不足なので笑、早速寄ってみましょう!

薄荷蒸溜館


薄荷蒸溜館は、はじめにもチラッと記述した通り2002(平成14)年12月に竣工、公開された建物です。
こちらではハッカ農家がハッカの苗を植えてから収穫(刈り取り)するまでの工程と、さらにハッカ小屋でのハッカ蒸し作業(蒸溜)を実際に間近で見て知ることができるようになっています。

建物に入るや否や、ハッカの優しい香りがプンプン漂ってきました!かなり良い香り!

薄荷蒸溜館
とてつもなく良い香りの正体はこちらです
薄荷蒸溜館

これいつまでも見ていたくなる機械でした。こんなに丁寧にゆっくり時間をかけて作られたハッカ油。
今では合成されて世に出回っているのが一般的で、北見市のハッカ農家もすでに数えられる件数しか残っていないんだそうです。
そんな中で今は北見市でハッカ造りを引き継いでわずかながらでも生産を続けているそうです。

このほかに展示されているものは、天水釜式蒸溜器(明治~大正時代にかけて使用)・箱蒸籠型蒸溜器(大正~昭和初期にかけて使用)・田中式薄荷蒸溜器(昭和5年~50年頃まで使用)と、どれも日常生活ではなかなか目にすることのない貴重な蒸留器ばかり。

薄荷蒸溜館
田中式薄荷蒸溜釜
薄荷蒸溜館
これだいぶ大きいんですよ!

こちらの薄荷蒸溜館では従来の方法で蒸溜されたハッカを使用した商品も多く並んでいて、館内には館長さん含め女性のスタッフさん方で運営されているようでした。
どのスタッフさんも気持ちの良い素敵な笑顔の方ばかりで、つい色々と長話をさせて頂いちゃいましたが、優しい香りに包まれて癒しの時間を頂いたようでした。

館内の商品棚の撮影を忘れてしまいましたが、筆者もお土産用と自分用にちょこちょこと購入しましたよ。

薄荷蒸溜館
左からハーブティー,薄荷羊羹,ハッカ飴,ハッカミルク飴

ほかにも角砂糖の役割をするハッカ棒なんかも買ってしまいました。結構買い込んでいた自分にビックリです笑。どれもハッカが強すぎず上品な味のものばかりでしたよ。

素敵な時間を過ごせて大満足な筆者。
最後にはスタッフさんと一緒に撮影もしていただきました!(筆者初公開です、遠目で見てね笑)

薄荷蒸溜館
※撮影&掲載許可を頂いております

スタッフさん、改めてありがとうございました!



北見ハッカ記念館,薄荷蒸溜館 詳細
北見市ハッカ記念館


暑い日差しの中、優しいそよ風が吹き抜け心地良い空気が流れていた北見ハッカ記念館と、癒しのハーブの香りに包まれながら素敵なスタッフさんとの会話も楽しませて頂いた薄荷蒸溜館。

一度訪れてみて、薄荷の奥深い歴史とあなたも優しい気持ちを持ち帰ってみてはいかがでしょうか?
それでは詳細です。

北見ハッカ記念館薄荷蒸溜館

住所
北見市南仲町1-7-28
TEL/FAX
0157-23-6200
メール
hakka-joryukan@kitamikanko.jp
開館時間
5~10月 9:00-17:00
11~4月 9:30-16:30
入館料
無料
休館日
・月曜日・国民の祝日の翌日
(月曜日が祝日→開館、翌日休館)
(金・土日が祝日→開館、翌日も開館)
・年末年始(12/30~翌1/6)
アクセス
JR北見駅より徒歩約10分
駐車場
無料駐車場記念館前にあり
ホームページ
http://www.kitamihakka.jp/
北見市ハッカ記念館


北海道での束の間の時間、幸せでした!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
また次回の記事でお逢いしましょう!

Sawako