2025年10月16日 投稿
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北海道富良野市内を走る贅沢

皆さんこんにちは。
突然ですがこの夏、筆者は訳あって北海道富良野市に一定期間滞在しておりました。
1日フリーとなったこの日、滞在場所の自転車を借りて前々から気になっていた美術館へ行ってみることにしました。
それが後藤純男美術館。
後藤純男は首相官邸にも飾られるほどの日本画を描いた日本画家で、筆者が知っていたのは残念ながらその名前だけ。
名前しか知らないからこそ、どんな日本画を描かれている画家さんなのか楽しみになるものです。
それでは早速行ってみましょう。
今回訪れたのはこのあたりです。
後藤純男美術館の迫力が凄すぎた

幼い頃から母親に連れられて美術館にはよく足を運んでいました。
東京都内の美術館が圧倒的に多かったですが、平山郁夫・東山魁夷・速水御舟・菱田春草など有名な日本画家からピカソ・モディリアーニ・モネ・クレーなど海外画家の作品まで。大人になってからも美術館へは自然と足を運ぶ癖がついており、特にひとり旅で訪れた土地では必ず美術館や記念館を探してしまうくらいの美術館好きです。
美術館って、なんでしょうね。
誰にも邪魔されない時間を約束してくれる場所、というか静寂を提供してくれるひとり好きにはたまらない空間なんですよね。
この「女ひとり、旅をする。」でもたびたび登場していますが、ひとり旅と美術館訪問はなかなか相性がいいと筆者は感じています。
ということで、早速北海道富良野市の大自然の中にどっしりと構えている「後藤純男美術館」へ行ってみましょう!
富良野の真っすぐな道

この日、AM10:00頃に宿泊先で自転車を借り出発!(ちょっと特別な場所に滞在していました)
お天気は晴天、9月の北海道にしてはなかなか暑いです。風はだいぶ涼しいものの陽射しが異様に鋭い。自転車に乗っていると身体も顔もじりじり熱くなってくるくらいです。
それでも北海道の大地は広すぎて気持ちが良い!
少し前には北見市にも訪れ、その際は北見ハッカ記念館にお邪魔して歴史ある建物の中で素敵な想いをしてまいりましたが、今回は贅沢に大自然を直に満喫すべく出発した筆者です。
Googleマップで富良野駅から美術館までをサクッと調べたくらいで距離を見ていませんでしたが、あとで後藤純男美術館から帰る際に見た標識には「富良野市街まで15㎞」と記されていました。
筆者としては結構がんばったほうです。笑


北海道の土地の広さって、国内のどの場所とも比べられないくらい「広い」んですよね。表現力なさすぎなんですけどもう「広い」に尽きるのです。笑
だいたい歩いたり自転車に乗っていると、ある程度の畑道や森の中に入っても30分ほど進めば家やコンビニとか何かしら人間の生活感を感じられるものなんですが、北海道の土地の広さは舐めちゃいけません。
自転車で30分走ってもコンビニどころか家にも全然出会えません!笑
もうひたすら真っすぐ一直線が続き、周りは玉葱畑に人参、ジャガイモ、アスパラにミニトマトハウス、田んぼに更地に…もうまっさらな土地が広がっているだけです。
たまに畑仕事中の農家さんに巡り合えると嬉しくなってしまうくらい人にも出会えないんです。笑
それが良いところでもありますけどね!
国内で本物のひとり旅をしたいと思っている方には、北海道で自転車旅は最高かもしれませんね。
(鹿は普通に飛び出してきたりします。本気で熊もいつ出てくるかわからないので、むやみやたらに森の中に入らないようにしてくださいね。)
さて爽快な北海道富良野市の眺めをば…。




ただただ広すぎる富良野の大地をひたすら走ること1時間半ほど。
遠く先になにやらポツンと大きな建物が見えてきましたね。
あれはきっと美術館ですね?ですよね?ね?

はい、到着です!

序盤から圧倒的な存在感

さてずっと真っすぐな道を走り続けてきて足がぴきぴきしていますが、無事目的地に到着しましたよ。
疲れているんですが、やっぱり目的地に到着すると達成感のほうが勝るものですね。
汗を軽くふいたら早速中へ入りましょう。

エントランスに入ると、目の前の壁には日本画で使われる岩絵の具の説明書きと実際の材料が展示されています。


右側にチケット売場と売店がキレイに並んでいますので、チケットを購入していざ入場です。(チケット代等美術館の詳細は最後にまとめてありますのでチェックしてくださいね)

第1展示室に入った瞬間から筆者は圧倒されました。
作品のサイズはそれほど大きくないものの、細かい描写に緻密な線、何度も丁寧に塗り重ねられた鮮やかな色彩たち。序盤から目を奪われます。
(部屋は第1~6展示室まであります)

後藤純男は1930(昭和5)年に千葉県関宿町の真言宗住職の家に生まれました。
17歳から5年間埼玉県で小中学校の教職に就きながら絵を描き続け、3年後に第5回日本美術院小品展で「田園風景」初入選、22歳の時には第37回院展にて「風景」が初入選し、本格的に画家の道を進みます。
引用:後藤純男美術館HP,バーバリーアートスペース

ほかの作品と比べると、初入選作はやっぱりどこかあどけなさを感じます。筆者でも描けそう…なんて偉そうなことを思わせてくれます。笑
しかし、誰が見てもあどけなさがわかる作品を描いていた人は、こうなってしまいます。



何をどうしたらこんな細かい美しい日本画に辿り着くのか、筆者は頭がパンパンです。
第2展示室には大きなモニターが用意されていて、後藤純男の半生を知ることができますよ。
その第2展示室には古都の四季をテーマにした巨大な作品がズラーっと豪華に並びます!
四季の美しさを惜しみなく表現する
さて第2展示室に入りました。
広いです。ものすごく広いのに筆者独り占め状態です。贅沢です。


そして広い空間に巨大な作品たち。
もう美しすぎて目を奪われっぱなしな筆者です。




何でしょうね、どの作品を見ても凄すぎて美しすぎて言葉が出てこないのです。
ただただ参りました~、という感じです。
今や風景画や人物画なんてAIに任せてしまえばあっという間に作成されてしまう時代ですが、人間の手で時間をかけて作られたものにはAIでは決して生まれることのない命が吹き込まれているように感じます。
どっしりと作品がこちらに話しかけてくるんですよね。
ものすごい世界です。

大胆な表現力と繊細さ
第2展示室は奥まで長く続いていてかなり広い空間です。作品を悠々と眺められます。

こちらもまたド迫力。
大胆な表現力にこちらが気力負けしてしまいそうなくらい、1作品1作品たちが真っすぐに主張してきます。


そして個人的に最高に好きだったのがこちらです。

この日本らしい素朴な山門に青々とした新緑が見事に映えていて、あまりにも心に響くものがありここから数分動けませんでした。
そして京都の大原三千院、行ってみたくなりました。
絵画のパワースポット⁉
第2展示室ですでにお腹いっぱいになっている筆者を待ち構えていたのはこちらです。


こちらは14mにもなる中国の風景画「雲海黄山雨晴」です。
この作品は右側が曇っていて暗いんですが、目を左に移動させていくとだんだんと天気が良くなってきて最終的には太陽が顔を出す、という絵画のパワースポットになりそうなくらいパワーを感じる大作なんです。
一度本物をゼヒ観て頂きたいです!パワー感じすぎてため息が漏れまくりますよ。笑
ほかにも中国の風景画もあり、展示室を移動すると富良野から見える十勝岳の風景画や大胆にくっきりと表現された斜里岳の作品など、どの作品もパワースポットのようでした。



可愛らしい人物画も飾られています。

第5,6展示室までかなりの作品数が展示されています。
大画面の迫力たっぷりの作品も見応えがあって満足できるのですが、小さめの作品も筆者はじっくりと見たくなります。小さいからこその緻密さや繊細さがたまらなく愛おしくなるんですよね。
共感してくださる方いらっしゃいますか?


第1展示室からスタートして、何度も行ったり来たりしながら好きな作品をたくさん眺めていたらあっという間に2時間弱が過ぎておりました。笑
なかなか長居していましたよ。でもそのくらい圧巻される空間で魅力的な作品ばかりだったということです。さすがに日本を代表する画家さんなだけありますよね。(なんか、偉そうじゃない?笑)

ということで時刻は13:30!
朝ご飯のみで自転車にまたがった筆者はさすがに腹ペコなので、素敵な気持ちをたくさん抱えたまま前から気になっていたカフェへ向かいます。
カフェ「風時計」のランチ

相変わらずの晴天と真っすぐに続く一本道。
日本画にも負けないくらいの大パノラマが目の前に再び広がります。この世界の空気は全部自分のものと勘違いしてしまいそうになります。本当、北海道って大きい!
さて富良野市街の方へ少し戻ります。
今回美術館までの道のりを調べるのと同時に気になっていたカフェ「風時計」さんは中富良野駅から徒歩圏内にあるカフェで、何やらランチが豪華なのだとGoogleの口コミに書いてあって気になっていたのです。
後藤純男美術館があったのは上富良野。ちょうど富良野市街と後藤純男美術館の中間地点くらいに位置しています。
思ったより可愛い外観
はい、着きました。
帰り道は行きより早く感じますよね。

なんか可愛いです。これは期待できますね!

ドアを開けてみると

また可愛らしい扉が!
光が洩れていて店内の明るさが室内に入る前から伝わってきます。
ドア横ではパンの販売も行われていましたよ。

洗練された室内と豪華なランチ!
さ、お邪魔します。

めちゃくちゃ明るいです!しかも窓からは十勝岳がドーンと立ちはだかっていて最高のパノラマ。
後藤純男さんの十勝岳の絵を思い出しました。

どこを見てもこだわりが柿間見えて、求めていた通りのカフェでしたよ。
店主は優しい雰囲気の男性で、もうひとり男性スタッフさんがいて終始和やかな空気が流れていました。
驚いたのが食前と食後のどちらも出してくれる飲み物サービス!


筆者はホットコーヒーを頂きました。
入店した時にお客さんが1組いましたが、もう帰るタイミングだったのであっという間に店内は筆者だけ。またまた独り占めです。笑
時刻も14:00頃だったのがランチの時間からずれていて良かったのかも。優雅な時が流れます。
そしてランチは数種類の中から好きなパンを2~3種類(お値段が変わります)選べるようになっています。10種類くらいあってめちゃくちゃ悩みましたが最高の2種類を選びましたよ!
ほどなくして優しい笑顔で店主さんが持ってきてくれたのがこちらです。

一品一品が丁寧なんです。店主さんのお人柄がそのまま出ている感じで嬉しくなっちゃいました。
パンもボリュームがしっかりしていて、2個か3個か選べるんですけど2個で十分。笑
健康的なランチでお腹が気持ちよくなりました!

ここは8年前にオープンしたそうで、冬は十勝岳がかなり美しく望めるそうです。
後藤純男美術館に行ってきた話もさせてもらったり会計時にも話が弾んでしまいました。
素敵な出逢いになりました、ありがとうございました!

美術館&カフェの詳細
ここまで読んで下さりありがとうございました。
皆さんも富良野市へ遊びに行かれることがありましたら、ゼヒ寄ってみてくださいね!
それでは詳細です。
後藤純男美術館
住所
071-0524
北海道空知郡上富良野町東4線北26号
TEL/FAX
0167-45-6181/0167-45-6271
営業時間
4/29~10/31 10:00-17:00(最終入館16:30)
11/1~4/28 10:00-16:00(最終入館15:30)
休館日
12/29~1/3
展示替えの為臨時休館の可能性あり
入館料
・大人/小人(小~高校生)
1,210円/605円
・団体(10名以上)
990円/495円
・障がい者割引(障がい者手帳提示)
605円/303円
アクセス
町営バス「美術館前」下車 徒歩1分
JR上富良野駅より 車で5分
旭川空港より 国道237号を車で30分
道央道鷹栖インターより 国道237号を車で60分
道央道三笠インターより 桂沢湖経由で約70分
道東道占冠インターより 国道237号を車で約70分
富良野駅より 自転車で1.5時間(片道15㎞)
駐車場
あり
乗用車100台/大型バス12台
ホームページ
後藤純男美術館公式HP
ベーカリー&カフェ「風時計」
住所
071-0700
北海道空知郡中富良野町東3線北16号
TEL
0167-44-3773
営業時間
11:00-16:00(L.O15:30)
※予約TELをオススメします
定休日
月・火・水・木・祝日
(金・土・日のみ営業です)
店内
全面禁煙
駐車場
予約時、来店時にご確認ください
アクセス
JR中富良野駅より徒歩11分
JR富良野駅より自転車45分
ホームページ
ベーカリー&カフェ 風時計
それではまた次回の記事でお逢いしましょう!
Sawako